ご挨拶

代表理事

この度、一般社団法人日本熱傷学会21代目の代表理事を務めることになりました齋藤大蔵です。本学会は、1975年に設立され、本邦の熱傷診療と研究をリードしてきた伝統ある学術団体です。代表理事という大役を務めさせて戴くにあたり、身の引き締まる思いであります。先達が築いてきた本学会の充実と更なる発展を目指して、理事および監事の役員各位、そして一般会員の皆様と力を合わせて、前進していきたく存じます。

近年、本邦においては重症熱傷の患者様の発生は火に対する危険意識の高まりと社会的啓蒙によって、減少しつつあります。しかしながら、災害あるいはテロ発生時には多数の重症熱傷の被災者が発生するといわれています。2001年の米国同時多発テロ事件では入院症例の三分の一が重症熱傷であったとのことです。本邦では2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向けて、あってはならないテロの万が一の発生に備えて、重症熱傷の被災者をはじめとして多数傷病者発生時における適切な分散搬送の計画を立てておかなければなりません。日本熱傷学会はこの社会的責任を果たすための準備を進めたいと思っております。

一方で、本学会は学術団体ですので、熱傷治療に関する科学的エビデンスを求めて、患者様の転帰向上や機能改善を目指していかなければなりません。すなわち、優れた治療法・診断法の開発・発展に尽力していくことが重要な目標の一つといえます。この40年の間に、全身・局所管理、感染対策、植皮法改善などの幅広い領域で熱傷診療は進歩を遂げて、その治療成績も向上して参りました。2009年に発刊しました熱傷診療ガイドラインを2015年には第2版として改訂、2011年には熱傷入院患者レジストリーを創設し、2016年からは学会として多施設共同研究も開始いたしました。今後は新しい治療法、診断法の開発とともに、本邦における熱傷治療の地域格差がなくなるように、診療の標準化に向けた事業にも力を入れていく所存であります。

皆様の暖かいご支援ご協力を賜りますよう、何とぞ宜しくお願い申し上げます。


一般社団法人 日本熱傷学会
代表理事 齋藤 大蔵